厚生労働省資料

議事録

令和6年10月27日公開

令和6年10月28日修正

 

厚生科学審議会

予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第2回)⑥

健康局結核感染症課



議題2

子宮頸がん予防ワクチンについて①

○桃井座長

それでは、第2部の「子宮頸がん予防ワクチンについて」の審議をよろしくお願い申し上げます。大変資料が大部でございますので、少し分けながら資料の御説明をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

それでは、最初に全体的なところの資料からですが、資料2-1から2-4までの御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

資料2-1から2-4まで御説明いたします。

5月14日開催の合同検討会において既に御説明しているところもありますので、追加情報を中心に説明いたします。

資料2-1のサーバリックスの資料について御説明いたします。

1ページ目から3ページ目までに副反応報告全体のまとめがございます。

4ページ、5ページ目に症例の一覧がございまして、重篤症例の報告ですが、転帰内容につきまして記載が変わっているところがございます。

6ページ目からは、発売以降の報告数を副反応の種類ごとに一覧表にしたものでございます。

16ページからは、アナフィラキシーの可能性があると報告された症例でございます。本年1月から3月までの間は、アナフィラキシーの可能性がある症例はございませんでした。

続きまして、17ページは、迷走神経反射が疑われる症例にアナフィラキシーが紛れていないかを確認したもので、ブライトン分類3以上のアナフィラキシーが疑われる症例は確認されませんでした。

18ページは、医療機関から非重篤として報告された一覧でございます。

続きまして、資料2-2につきまして説明をさせていただきます。ガーダシルの副反応報告でございます。

サーバリックスと同様に、1ページから3ページまでの副反応報告の全体のまとめがございまして、4及び5ページに症例一覧がございます。こちらも転帰の内容について変更がございました。

また、6ページからは、発売以降の副反応の種類ごとに一覧にまとめたものでございます。

ページは、アナフィラキシーの可能性のある副反応報告についての一覧で、ブライトン分類に関する専門家の評価は御覧のとおりでございまして、ブライトン分類3以上のアナフィラキシーの可能性がある症例と評価されております。

9ページは、アナフィラキシーのこれまでの症例をまとめたものでございます。

10ページ目は、迷走神経反射が疑われる症例にアナフィラキシーが紛れていないかを確認したもので、こちらもブライトン分類3以上の症例はございませんでした。

11ページからは、医療機関から非重篤として報告された一覧でございます。

続きまして、資料2-3、子宮頸がん予防ワクチン接種後の失神関連副反応について御説明いたします。

これまで血管迷走神経反射によるものと思われる子宮頸がん予防ワクチンの接種後の失神につきまして、添付文書への記載のほか、失神による二次被害の未然防止のために繰り返し医療機関へ注意喚起を行っております。本資料は、企業からの提出資料で、2ページから4ページまでがサーバリックス、8ページからはガーダシルの資料となっております。

2ページと8ページに、それぞれ国内と海外の失神状況をまとめております。国内での発現状況ですが、サーバリックスの12月末までの報告は、失神に関連する副反応が783例で、発生率は10万接種当たり11.25件、ガーダシルのほうは297例で、10万接種当たり17.6件でございました。

また、実際に意識消失のあった症例は、サーバリックスが544件で、10万接種当たり7.82件、ガーダシルが210例で、10万接種当たり12.4件でございました。

3ページ及び9ページの図でございますが、意識消失が発現したものについて、接種から失神までの時間をグラフにしたものでございます。両接種とも不明を除きますと15分までというのがほとんどでございます。

3ページから4ページ、それから、9ページに参考として月ごとの意識消失症例と二次被害に遭われた症例の一覧表を示してございます。二次被害につきましては、本年1月から3月までの間にガーダシルで1件の報告がございました。

二次被害が発生した1例の具体的な症例につきましては、10ページに掲載してございます。3回目の接種後、2分半ほどたって椅子から床に倒れ込み頭を打ったという症例でございます。

資料2-4につきましては、これまでの症例の一覧でございます。主に転帰の内容が変更になっているところが主な変更点でございます。大部でございますので、委員のみの配付となっております。ホームページには掲載することにしております。

説明は以上でございます。

○桃井座長

ここまでの資料で御質問等ありますでしょうか。

○柿崎委員

この重篤とされる副作用のうち、失神とか一過性で回復するものを除いて後遺障害が残ったり、未回復とか神経障害が残るような症例というのは、この重篤なうちどのぐらいの頻度ですか。

○事務局

後ほど説明させていただこうかと思っているのですが、資料2-6に重篤な症例の転帰と詳細の内訳といいますか、それぞれの疾患ごとに症状が割り振られておりますので、そういったものでの代表的なものを選んだクロス表を作っております。これは後ほど説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○桃井座長

それでよろしいですか。

○柿崎委員

はい。

あと、サーバリックスとガーダシルで頻度には差があるのですか。0.0009%というのと0.0013%という重篤な副反応に関して統計学的に有意差はあるのですか。

○桃井座長

先生、今それはどこの数字をおっしゃっているのですか。

○柿崎委員

資料2-1と2-2の最初のページの「発売開始からの累計」の「医療機関からの報告」の副作用の重篤なものというのを。総接種数が違いますので、比較した場合に頻度が0.0009%というのと0.0013%というのは同じにとらえていいものなのか、あるいはガーダシルのほうが少ないというふうに考えていいものかというのは、何か統計学的な検討というのはされているのでしょうか。

○事務局

そのあたりも続きます資料2-5に頻度を、ほかのワクチンと比較した表をつくりましたので少し御紹介しようかと思っておりました。統計学的な検討は行っておりませんが、母数が大きいものですから、ある程度の差があれば、そこは比率の検定をかければ一定の差はあるのかと思います。ただ、ほかのワクチンもそうでございますけれども、報告を医療側のほうで認識して挙げていただくというところで一定の限界があるという前提で動いている仕組みなものですから、その辺りを緩和しながら数字のほうは理解していかないといけないのかなと、このように思っております。

○柿崎委員

ありがとうございました。

○桃井座長

ほかにいかがでしょうか。資料を途中で切りましたので、後の資料と関連することが出てまいりましたが、ほかに御質問等おありになりますか。よろしいでしょうか。またありましたら、資料を戻っていただいて御質問いただければと思います。

それでは、資料2-5からよろしくお願いいたします。

○事務局

では、今ほどお話が出ました資料2-5から説明させていただきます。

資料2-5は、ワクチン別に副反応の状況を見まして、それを接種回数で割って率を出しております。副反応は企業からと医療機関とございますが、企業からの報告については、今回、医師が重篤としたものを分けて記載しております。これは報告の中で個別の症状に対しまして報告をしました医師のほうで重篤かどうかというのを分けておりまして、それをこのたび重篤というふうに回答したものがある報告については重篤のほうに入れるという形で集計しております。副反応の報告全体については、医療機関からの報告と企業の報告の全体を足したものを挙げております。

それから、次の欄、左から2つ目の「重篤」としております欄については、「企業報告のうち、医師が重篤としたもの」Bの欄の値と、「医療機関報告のうち、医師が重篤としたもの」Dの欄の値を足したものをこの中に入れております。それぞれのワクチンについては、3月31日までの状況を件数に入れまして発生率を求めているという表でございます。

それから、2-6でございますけれども、前回の検討の中で、予後、転帰の中に不明となっている件数がかなり含まれているという御指摘を受けたところでございます。これに対しまして、企業からの報告につきましては企業のほうにお願いをいたしまして、さらに医療機関のほうに企業から私どもが調査をしたいということをお伝えして、その接種者の方のほうに現在の状況というのをお尋ねするような形で確認をさせていただきました。

その結果、サーバリックスの製造販売業者からの報告704件ありましたもののうち、回復が52174%、軽快が79件で11%、後遺症ありはなし、未回復24件、3%、不明、まだ残っておりまして79件、11%、このような状況でございました。

その内訳ですけれども、ここは前回お示しをしたのとほぼ同様でございまして、704件の報告のうち、報告医が重篤と報告した件数については211件、前回と1件違います点については、死亡例の報告がございましたので、この点を追加しております。

こういった形で704件のうち重篤とされたものが入っております。

その内訳が次のページ、2ページと3ページのほうに掲げております。それぞれのケース、症例のうち、その中心となりますような病態を示している症状、病名に対しまして選択をいたしまして、それぞれに転帰を分類して集計しております。病気の分類については、アレルギー性障害、神経系障害、呼吸器系障害、肝・胆道系障害、腎・泌尿系障害、血液・リンパ系障害、筋・骨格系障害、皮膚障害、その他ということで大きくは分類をして、それぞれに疾患名、診断名を分けて並べるということでまとめております。

おめくりいただきまして、4ページ、同じくサーバリックスについての医療機関からの報告についてまとめております。こちらのほうも重篤、非重篤、不明となっておりましたが、不明なものについてできるだけ明らかにしてほしいということを自治体を通じましてお願いし、現在のところ、このような形にまとまっております。続きましての転帰については、自治体にお願いをしまして、重篤、非重篤、それぞれに回復、軽快、未回復、死亡、不明と、未回復や不明となっておりましたものについて確認を行っております。副反応の内容についても同様に分類を行っております。

続いて6ページのほうには、製造販売業者と医療機関からの報告、先ほどの表も重篤と判断したものでございますけれども、両方を足しまして1枚の表としたものでございます。見ていただきますと、各疾患、各分類ございますけれども、前回お示ししたように、意識レベルの低下、失神のようなもの、発熱、そういったものに数としては多くなっておりますほか、各疾患にそれぞれ分散している状況を見ていただくことができると思います。

9ページ目以降は、ガーダシルの重症例の分類でございまして、まず、製造販売業者からの報告が68件で、1に転帰の内訳、2にその内訳としまして、全体の報告数68件のうち、報告医が重篤と報告したものが内訳として41件であったと、このように図を付けております。その報告医が重篤と判断した症例について、3番でその内訳を示しておりまして、御覧のような形に分かれております。

11ページには、同じくガーダシルの医療機関からの報告195件を分類しております。内容は先ほどと同様です。

最後、めくっていただきまして、(3)にはガーダシルの報告医が重篤と判断した症例についての報告のうち、製造販売業者と医療機関が報告したものを合わせたものを集計しております。

以上が資料2-6でございます。

続きまして、前回の作業の御指示のうち、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会から情報提供のありました症例について、より詳細な検討を行うということがございました。自治体などを通じまして、また、お申し出のあった方に直接連絡を取りまして、医療機関からのカルテを国のほうに提出いただくという作業を進めてまいりました。24件のうち3件だけ本日までに到着できないということでございましたが、残りのものにつきましてはカルテの提出をいただき、サマリーを作成いたしまして、おめくりいただいた以降に1人の方を1枚にまとめるということでまとめております。

その内容につきましては、なるべく委員の先生方に見ていただくということで、到着した部分まではお送りしておりますが、その剤につきましては1枚の表ということで御覧いただいております。その内容を桃井座長と御相談いたしまして、大きなくくり、幾つかに傾向がくくれるのではないかということで並べております。一番上から見てまいりますと、ワクチン接種から1か月以内に症状が出まして、その症状の中で持続する広範囲の疼痛、痛みが出ている、そういった方々が何人かいらっしゃるのではないか、こういう一群をまとめております。

それから、その次の2つ目のまとめとしまして、ワクチン接種から1か月以内に発症している、また、その広範囲の持続する疼痛、痛みや自己免疫疾患以外の方で、さらに通常想定されない病態を除く、こういった方々をまとめることができるのではないか、こういう方々が2つ目の群とまとめております。

それから、3つ目の群としまして、自己免疫疾患、具体的には若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬性関節炎、こういった疾患名で診断を受けておられるような方については、まとまった取扱いができるのではないか、3つ目にまとめております。

それから、4つ目としまして、ワクチン接種から1か月以上たってから発症され、持続する疼痛、痛みを来しておられる方がいらっしゃる、そういった群がございます。

それから、最後にワクチン接種との関連が通常では想定されていないような病態を示されている方、そういった方々の群というのがあるのではないかというふうにまとめております。それぞれの方々については、先ほど申し上げましたように資料の提出がございまして、その中で経過、それぞれの医療機関にかかっておられますので、診断名や検討された際に鑑別診断として挙げられましたようなもの、そういうものも含めましてまとめておるところです。

続きまして、資料2-8、子宮頸がん予防ワクチン接種後の疼痛関連症例等について説明させていただきます。

中に幾つかの資料をまとめております。前回の会議の中で、複合性局所疼痛症候群の5例の方の検討をいただきました。まず最初に、同じ方々の症例の一覧を再掲の形で載せております。先ほど申し上げましたように、転帰のそれぞれ現在どうされているかということをなるべく確認することを行いました。その中で、1番の方、4番の方については一部又は全体で回復されている、改善されているという報告がございまして、その点、変更がございます。

それから、続きまして6ページ以降に疼痛が広範囲にわたる症例の一覧ということで38例の方の症例をまとめております。前回検討いただきましたCRPSに関しましては、全体として典型的なCRPSとは判断できないといった方々が中心になっておりましたけれども、関連して疼痛が広範囲にわたる症例がこれまでの報告の中でどの程度あるのか、そういった内容を検討するという趣旨でまとめております。

具体的な作業といたしましては、6ページの上のほうにありますように、これまでに報告されました副反応報告のうち、疼痛に関連した副反応報告のうち、次の条件に当てはまるものを除外した方々です。1失神、アナフィラキシーに伴うもの、2軽度の局所疼痛、3原因疾患が特定されているもの、4発熱に伴う頭痛又は筋肉痛であり、数日で回復したもの、5けいれん、不整脈で疼痛を伴わないもの、6疼痛が接種側上肢に限定されるもの、7疼痛以外の症状(頭痛等)が主訴のもの、そういった方々を除外し、疼痛、痛みが広範囲にわたっている方を抽出したデータでございます。

これらの方々を見てまいりますと、一定の傾向といいますか、グループに分けることができるのかなと、このように見受けられておりましたので、ここも座長と相談いたしまして、幾つかの塊、余り詳細に厳密に分けたものではございませんけれども、塊に分けております。

まず1つ目の塊としましては、慢性に経過する接種部以外の疼痛ということで、この中で未回復の方と、回復又は軽快された方がいらっしゃるだろうというふうに思われましたので、整理案、右から2つ目の欄のところに1番と2番ということで分けております。

それから、続きまして、慢性化しなかった接種部以外の疼痛という皆さんがおられましたので、こういったグループをまとめております。

それから、4番目としまして、自己免疫疾患を示唆する所見、診断名として自己免疫疾患の診断名が付いておられるような方について、又は、その治療を受けておられるような形についてのグループというのをまとめております。

それから、最後ですけれども、その転帰が不明ということで、慢性に経過しなかった、そういった判断がこちらに出ております情報だけでは判断が難しい方の例というのをまとめております。それぞれの方の詳細につきましては、続く8ページ以降に順次番号順で示しております。

続きまして、サーバリックスとガーダシルに関連しまして、海外では疼痛に関連した副反応が起こっていたのかどうか、そういったことをそれぞれの会社に尋ねまして、報告をいただいております。

25ページにサーバリックスに関する報告をいただいておりますが、これまでの報告としまして、広範囲にわたる重篤な疼痛を来した症例の発現は、日本を除く世界においては57例であったという報告をいただきました。

29ページには、ガーダシルの疼痛関連事象に関する報告をいただきました。重篤な接種側上肢に限局しない広範囲にわたる疼痛を来した症例は31例であったという報告でございました。

詳細については、ガーダシル、サーバリックスについてもそれぞれの中に含まれております。

続きまして、資料2-9でございます。こちらは、桃井座長より副反応の報告の状況と、ロット別の傾向を確認するようにという指示がございましたので集計をしたところでございます。全体の傾向としては、各ロットとも発現の大小はございますが、特定のロットにだけ集積している結果は認められないということでございまして、この状況は国立感染症研究所の国家検定を行っている担当のところにも状況を確認し、その検定の状況の結果とこれらの結果とに大きな関係、そういった問題があるというふうには見られないという報告をいただいております。

続きまして、資料2-10でございますが、これは、もし今後、子宮頸がん予防ワクチンプログラムを続けていくといたしますと、接種を受けられる方にも子宮頸がん予防ワクチンの有効性とリスクをしっかり理解していただいて受けていただくべきだということで前回申し上げました。内容につきましてさまざまな御意見を内外からいただきまして、その接種対象者の年齢の方に御理解いただける簡易な内容にするべきだという御指摘を強くいただいたところでございます。それらの御示唆、御指摘に従いましてまとめたものでございまして、子宮頸がんに関します簡単な説明と、子宮頸がん予防ワクチンの効果、めくっていただきまして、子宮頸がん予防ワクチンの接種についてのリスクをまとめております。このリスクの中で、上段は一定の頻度で起こることが知られているものをまとめておりまして、特に注射部の痛み、発赤・腫れ、疲労感、こういったものは子宮頸がん予防ワクチンの中で非常に頻度が高い副反応でございますので、その率を強調してまとめております。下段には、まれに発生する重い副反応の報告ということで、アナフィラキシー、ギランバレー、急性散在性脳脊髄炎をまとめておりますほか、これまで説明させていただきました資料の中で現れておりますような慢性の経過する痛みというのも表現してしっかりお伝えしてはどうか、このように案としては入れております。

続きまして、ワクチン接種後の注意につきましては、通常の接種の中で注意されている内容を示しております。

そして最後に、子宮頸がんワクチンについて、接種された方も二十歳を超えたら必ず受けていただくようにお勧めをする、こういったこともお伝えしまして全体像をしっかり御理解いただく、有効性とリスクをしっかり御理解いただいて受けていただいたらどうかという形でまとめております。

続きまして、2-11、子宮頸がん予防ワクチンのQ&Aというのも試案を作っております。こちらも分かりやすい形で御理解いただきたいという観点でまとめておりまして、この中に、4ページ目、Q19、ワクチン接種後に副反応はありますかという問いとしまして、先ほど見ていただきましたようなリスクの大きさというのをしっかり伝えていければというように思っております。

続きまして、資料2-12でございます。これは、疼痛に関します訴えの方がいらっしゃるというデータを踏まえまして、今後の取組みといたしまして進めてまいりたいというものでございます。

予防接種及び注射、採血等の医療における穿刺行為後の長期間持続する痛みに関する調査研究の実施といったものを、私ども結核感染症課と疾病対策課を連携して進めてはどうかというように考えております。

具体的な取組みといたしましては、研究班2つございます。厚生労働科学研究の中で慢性の痛みに関する研究が2つございまして、そのうちの1つ目、難治性神経因性疼痛の基礎疾患の解明と診断・治療精度を向上させるための研究ということで、主任研究者、研究代表者は、本日お越しの池田修一先生が務めておられる研究班が1つ。それから、2つ目としまして、慢性の痛み診療の基盤となる情報の集約とより高度な診療のための医療システム構築に関する研究、主任研究者、研究代表者を愛知医科大学の牛田先生が務められております研究、この2つの研究事業で連携した取組みとして行っていただく方向ということで進めております。

今後、拠点医療機関の確定や、この取組みの内容、連絡体制などを整備いたしまして、今年の秋を目途に進めてまいりたいと考えております。

また、関連しまして、NPO法人いたみ医学研究情報センター、こちらは愛知医科大学のほうに付設されているというふうに伺っておりますが、こちらの協力も得まして相談を受けていくような体制ということで考えております。

本日お越しの池田先生には、この点で御尽力いただくという予定としております。

私からは以上です。

○桃井座長

ありがとうございました。資料がたくさん、しかもさまざまな異なる側面の資料がございますので、少しずつ分けて質問、質疑、協議を行っていただきたいと思います。

2-1から2-4までは、先ほど御質問がありまして、それに対する資料が2-5であったり、2-6であったりいたしました。したがいまして、まず、各症状の全体に入る前に、これらの全貌に関する質疑を行いたいと思います。つまり、資料の2-1から2-4までと、今回の資料2-5と2-6を含む、このデータについて御質問、あるいは、これをどう考えるか、明らかにほかのワクチンに比べて数字がこのように出ていて、なおかつ、2剤、少し違うような数字が出ているところもございます。これについてどう考えるのかということについて御意見を頂戴したいと思いますし、2-6については、重篤な副反応の状況についてでございます。これについても全体としてどういうふうに考えたらいいかということを御意見いただきたいと思います。これで議論がしにくいようであれば、各論に移ってからまた総論のほうに戻りたいと思います。まずは2-5、2-6を中心に御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。

○柿崎委員

先ほど質問した内容と同じなのですけれども、2-6ですが、重篤な副作用で後遺障害が残るようなものというのは、2-6の8ページに行きますと、医療機関と製造販売業者を合わせたもので、サーバリックスで後遺障害があるものが3例、未回復のものが26例、ガーダシルのほうは未回復のものが3例と、この数字で理解してよろしいのでしょうか。

○事務局

そのとおりでございます。

○柿崎委員

この資料で、軽快というのは、どの程度まで軽快しているのですか。回復と軽快の差の定義というのはどのくらいなのですか。全く日常生活に問題ないぐらいまで軽快されているのかというのはどうなのでしょうか。

○事務局

前回もその辺りが議論になったかというふうに存じております。軽快の部分は、どうも症例によって少し幅があるのかなというふうにも受けております。正確に定義がある形で運用しておりませんので、そこは少し幅があるというふうに理解をしながら進めていかないといけないのかなと思っております。

それから、未回復のところの状況ですけれども、幾つかの状況が混在しているのだろうと思っております。真に現在も病状が続いておられるという方と、それから、十分に予後が確認できなくて、そこから解明ができないままになって未回復として置かれている方がおられるというふうに思っております。今回の状況を確認する中で、なるべく未回復の方や不明の方の状況を把握して現在の状況をつかむということで行っておりますけれども、また完全にできていない部分もありまして、そういう途中の状況ということで御理解をいただきたいと思います。

○桃井座長

ほかにいかがでしょうか。

どうぞ。

○岡田委員

資料2-5です。前もお聞きいたしましたけれども、企業からの報告と医療機関からの報告は、先ほどのヒブ、肺炎球菌などのワクチンには重複はないと言われましたけれども、今まで何となく重複した症例が挙がってきたように感じていました。この表にはそれはある程度区別されて、重複がないというふうに考えてよろしいのでしょうか。

○事務局

これまでの集計した表の中でも注意としまして、医療機関報告と企業報告の両方に挙がっているものがあるかもしれませんということで注意を載せておりました。基本的にはその状況は変わらないのですけれども、一応取組みとしましては、発症の日時や状況などから重なっておるというふうに思われるものは、なるべく一つのほうにするという作業はしておりまして、一定程度そういった作業を行った後の状況ということでこのような形にしております。

○岡田委員

ありがとうございました。

○桃井座長

ほかにいかがでしょうか。

安全性を考える上で重篤例の数字をどう判断するかというところはとても大事だろうと思いますし、また、今回のワクチンは2剤ありますので、2剤に差があるのか、ないのかという御意見もぜひいただきたいと思います。

○倉根委員

2-9の関連で聞いてよろしいですか。ちょっと行き過ぎですか。

○桃井座長

どうぞ。

○倉根委員

ここも含めてなのですけれども、重篤と非重篤の率の差というのは、やはり余り明確なものはないと。つまり、重篤なものの報告が多いときは、ロット数のサイズの問題があるからあれですけれども、非重篤のものも多くあると。だから、率は余り変わらないように見えるのですが、そういう解釈でよろしいですか。

○事務局

厳密な検定をかけてはおりませんけれども、全体の傾向としてはそういう理解をしております。

○桃井座長

ほかにいかがでしょうか。

2-5でいずれの数字も、全体の数字よりも、「重篤」あるいはDの「医療機関報告のうち、医師が重篤としたもの」、「企業報告のうち」は余り差がありませんね、「医療機関からの報告」は、どの数字もサーバリックスが少し多いというふうに見えますが、これは統計処理なんかできるものなのでしょうか。

○事務局

数字としては恐らく可能かと思いますので、作業はしてみたいと思います。ただし、先ほどお伝えしましたように、さまざまな状況を加味して結果として挙がってくる数字と理解しておりますので、その解釈は慎重に行われなければいけないのかなというふうに思っております。

○桃井座長

ほかにこの全体に関しては何か御意見はおありになりますか。各論をしてからまた戻ってくることも考えたいと思います。

全体に他のワクチンに比べて、「医療機関報告のうち、医師が重篤としたもの」という欄のところ以外は少し多いように見えますが、これは各論で少し詳細に御意見を頂戴したいと思います。

 

よろしいでしょうか。次に移らせていただきます。

それでは、まず、これは皆様、既にカルテを一部御覧になられたと思いますが、2-7について御質問、御意見を頂戴したいと思います。2-7は、先ほど事務局の御説明のように、あるカテゴリーで分けていただきました。全体を見ても何が起きているかということを把握できませんので、24例のうち主たる症状を中心としてカテゴリーに分けていただきました。そのうち、少し前にカルテを御覧いただいたのは12例です。ワクチン接種から1か月以内に発症して持続する広範囲の症例が一番上にあり、5つのカテゴリーに分かれております。これについて、何が起きているのか、どのように理解をしたらいいのかというところについて御意見を頂戴できればと思います。特にカルテを御覧になっておられますので、全体としてこういう状況と判断するという御意見を頂戴できればありがたいと思います。

○柿崎委員

かなり厚い資料を見させていただいたのですけれども、担当医の先生によっては主治医の意見書というのを付けていた先生もいらっしゃるのですが、やはり直接見ている担当医の先生の意見というのがかなり重要かと思うのですけれども、厚労省のほうでは、各先生方に主治医の意見書を書いていただくということは可能なのでしょうか。

○事務局

先ほどの繰り返しになりますけれども、先ほどお伝えした、今回に関しまして行いました作業としましては、市町村を通じた事業としておりますので、自治体の協力を得まして、その自治体のほうから各御本人と医療機関のほうに連絡を取りまして、そこから診療録や関連する記録の提供をいただいたということです。私どもから直接医療機関のほうに連絡を取るということは、原則として今回の場合は行っておりませんで、そういった状況の中で集めた資料でございますけれども、さらに必要なものがあるかどうか、そういったところもまた御指示をいただきたいと思います。

○柿崎委員

主治医の意見書があるとかなり有用なのではないかと思うのですが。

○桃井座長

それもプラスになるかと思います。また、臨床医の目でカルテ全部を詳細に神経学的所見も含めて御覧いただいたわけですから、それを全体で見回して、特に12例の症例を御覧になった上でどういう印象を持ったか、どう判断、評価されたか、印象という語は適切ではないですね、評価されたかということを御意見いただければと思います。

神田参考人、いかがでしょうか。

○神田参考人

非常にさまざまな症状を出しておられるなというのが一つの印象でございます。

それから、上から5番目の症例ですが、これはMRワクチンをやられていて、ガーダシルが打たれていて、最初に小脳症状がどうも出ているらしいのだけれども、その辺りの評価が余りよくできていなくて、何回か後の医療機関でMRIで小脳の病変が指摘されてという結果が出ているという、それで、今、小脳の萎縮が存在するという、そんなケースであるように思います。これは、画像的にも臨床的にも神経学的な異常というふうに理解していいのかなと、私は客観的にもあるのかなと思ったのでありますが、その他の症例に関しては、やはり専門家の介入が必要なのかなと、神経学的所見だとか、いろいろなことの記載が私としてはちょっと納得いかないところが幾つかあったり、余りはっきりしないものがあったりして、この上から5番目の症例に関してはかなり確実なものではないか。ただ、MRIなんかも第三者の目でもう一回見る必要があるのかなというような印象を持ちました。

ですから、当事者の先生方にカルテの記載、それから、御本人の印象というのを書いていただくのはとても重要かと思いますけれども、第三者の目で見ることも重要であろうというふうに私は考えます。

以上でございます。

○桃井座長

池田先生、いかがでしょうか。

○池田参考人

れは、神田先生とほぼ同じ意見でありまして、この提出されている資料とか主治医の先生の意見をこれ以上求めても得られる情報は余り多くはないのではないか。それよりは、やはりきちんと専門医がその対象の患者さん、今後出るであろう人を含めてきちんと評価をすることが大事ではないかというふうに考えております。

○桃井座長

ほかに御意見を頂戴したいと思いますが。

○柿崎委員

先ほど申し上げた主治医の意見書に関しましては、もちろん専門医の先生が見るのは大変重要なことだと思います。やはり直接見ることが大事なのだと思うので、そういった点ではカルテのコピーを見ただけでは判断しかねるという意味で申し上げさせてもらったわけです。

○桃井座長

はい。ほかに。

どうぞ。

○薗部委員

池田先生、神田先生にもお願いしたいと思っているのですけれども、大人のCRPSと子供のCRPSは少し違うのだという専門家の意見を小児科の専門家の意見から聞いておりますので、次の研究班も含めまして、ぜひ子供のCRPSをよく診ていらっしゃる先生方を判定といいますか、そういうのに入れていただいて御検討いただければありがたいと思っております。

 

○桃井座長

今後、ほかの資料で他の疼痛症例、慢性疼痛症例のディスカッションもしていただきますが、ほかにいかがでしょうか。

ほかに臨床の先生のご意見は。岡田先生どうぞ。

○岡田委員

よく分からないのが、きちんとした診断基準があるものとないものとが混在しているように思いました。共通な認識として、一定の診断基準的なものを決めていただくと私たちとしては診ていきやすいのかなというふうに思いました。一応、CRPSは厚生労働省の研究班の中で診断基準があるというふうに伺っていますけれども、それ以外の線維筋痛症であっても、共通なものを何かお示しいただけるとありがたいかなというふうに思いました。


議題1(4)
議題1(4)
議題2ー②
議題2ー②