用語説明

例えば「分離」のように、ウイルス学に精通していないとウイルス学で通用している意味を知らないまま、我々が普段使用している意味で理解し、詐欺に引っかかることが殊更ウイルス学ではある。

感染症に関する議論において用語の定義を確認せずに議論を進めるとおかしな結論を導くことがある。例えば「エクソソームが病原体である。」といった議論である。これは病原体の定義を抑えておけば避けられる議論である。

そこで、以下に当研究所で議論に用いる用語の定義を以下に示しておく。これらの定義は、様々な辞典や事典に書かれていた説明を基にジキが定義したものである。事典等で調べるとよく分かるが、説明が循環していることがよくある。そこで循環した説明にならないように、且つ元の意味が変わらないように工夫して定義しなおした。


寄生

共生の一種であり、ある生物が他の生物から栄養やサービスを持続かつ一方的に収奪する場合をいう。


宿主

寄生生物の寄生対象となる生物をいう。


感染

寄生生物が生体内に侵入し増殖することをいう。ここで注意が必要なのは、感染の意味が病気を起こすことを意味しないことである。感染しても病気を起こさない場合も考えられる。


伝染

ある寄生生物が宿主1に感染し増殖した結果、宿主1からの分泌物や排出物とともに寄生生物が出て,接触または媒介によって他の宿主2へと感染していくことをいう。


感染性

寄生生物が宿主に寄生して感染する性質・能力をいう。ここでは「感染性がある」或いは「感染性がない」という用法で用いられる二値的な概念である。


感染力

寄生生物のもつ感染性の強さの度合いをいう。


病原性

寄生生物が宿主に寄生して病気を引き起こす性質・能力をいう。ここでは「病原性がある」或いは「病原性がない」という用法で用いられる二値的な概念である。


毒性(ビルレンス)

その寄生生物が感染したときどのくらい感染症を起こしやすいか、また発病したときにどのくらい重症化しやすいか、という力の強さを示す連続的な概念をいう。


伝染性

寄生生物が宿主に寄生して伝染する性質・能力をいう。ここでは「伝染性がある」或いは「伝染性がない」という用法で用いられる二値的な概念である。


伝染力

寄生生物のもつ伝染性の強さの度合いをいう。


病原体

感染して直接病気の原因となる寄生生物をいう。この寄生生物は感染性及び病原性を有している。


感染症

病原体の感染によって生じる病気をいう。


伝染病

伝染性を有する病原体が宿主間を伝染することによって複数の宿主に生じる病気をいう。伝染病は感染症に含まれるが,感染症のなかでも伝染力の強い感染症をさす。


免疫

動物体内の外来性および内因性の異物を生理的に認識・排除し、個体の恒常性を維持するための機構の総称をいう。


抗原

免疫される動物の抗体産生細胞によって「異種」と認識される物質をいう。


抗体

生体内に抗原が侵入したとき、それに対応して生成され、その抗原に対してのみ反応する蛋白質をいう。