基礎知識

3 単離以外の存在証明不可能性

令和5年12月28日執筆

病原ウイルスを単離することができないために、ウイルス学者は「分離」、「ゲノム決定」、「画像」で病原ウイルスが存在すると主張している。

例えば、令和4年12月17日付けで国立感染症研究所に問い合わせた結果、令和5年1月6日付けで得られた回答では、上記3つの手段で病原ウイルスの存在を主張している。以下に引用する。引用中の太字は筆者によるものである。

質問2

感染研の分離成功において、細胞変性効果の原因が栄養欠乏でないことは証明できたのでしょうか、答えてください。

回答

細胞変性により、ウイルス粒子の増殖とコロナウイルスの特徴を示すSpike タンパク質構造を電子顕微鏡で確認済みです

感染研で実施しているSARS−CoV-2分離試験においては、光学顕微鏡にて細胞変性効果を観察した場合、SARS-CoV-2ゲノムの断片を検出するリアルタイムRT-PCRにてウイルスRNA検出、次世代シークエンサーを使用して全長ウイルスゲノム配列解析電子顕微鏡解析による超微形態学的評価を実施することにより、ウイルスの存在と「細胞変性効果の原因が栄養欠乏等でないこと」を確認しております

また、感染研で分離されたウイルスは、感染研以外の国内外のウイルス研究機関に分与されており、薬剤や血清の活性を培養細胞への感染実験により評価したり、げっ歯類などの動物への感染実験によりウイルス病原性・毒力の評価などの実験科学的手法を用いた病原体研究や新たな医薬品開発研究に役立てられています。

この回答から分かるように、ウイルス学者は「分離」、「ゲノム決定」、「画像」で存在が証明できると考えている。

しかし、それは間違いであることを前節で述べた。ここでは、それが間違いであることを証明する。

病原ウイルスの存在は仮説である

病原ウイルスについては、以下のことが知られている。

【事実①】病原性ウイルスを単離することは技術的に困難である。

【事実①】より病原性ウイルスの存在は未確認であり、現時点ではウイルス学は次の仮説を前提にしている。

【仮説①】病原ウイルスが存在する。

また、この【仮説①】を前提に、分離試験では次の仮説に基づいて議論している。

【仮説②】細胞変性効果の原因は病原ウイルスの増殖である。

これが仮説であると主張する理由は、分離試験では、分離手順で細胞変性効果(培養細胞が分解する現象)が起こらないことを証明する対照実験を行っていないからである。したがって、細胞変性効果の原因が病原ウイルスであると断定できる状況にない(実際はランカ博士が対照実験を行っており、細胞変性効果の原因は分離手順であることは分かっている)。

ここで、上記引用のように感染研を始めとするウイルス学者は次のようにして病原ウイルスの存在を証明している。

【仮説①】を前提に分離試験を行い、細胞変性効果が確認された。

【仮説②】より、この細胞変性効果の原因は病原ウイルスである。

したがって、病原ウイルスが存在する【仮説①】。(循環論法)

このように、前提【仮説①】から初めて前提【仮説①】を証明しているので、循環論法になる。したがって、この証明は無意味であって非科学的な議論である。

ゲノム決定の場合

同様にして、ゲノム決定によってウイルス学者は次のようにして病原ウイルスの存在を証明している。

【仮説①】を前提にして、ゲノム解析を行いゲノムを決定した。

したがって、病原ウイルスが存在する【仮説①】。(循環論法)

この場合も、前提から初めて前提を証明しているので、循環論法になる。

画像の場合

同様にして、電子顕微鏡による画像解析においてウイルス学者は次のように病原ウイルスの存在を証明している。

【仮説①】を前提に、分離培養試験を行い細胞変性効果が確認された。

【仮説②】より、病原ウイルスが増殖している。

この分離培養試験で得られた検体でを電子顕微鏡を用いて超微形態学的評価を実施した結果、病原性ウイルスの画像が得られた。

したがって、病原ウイルスが存在する【仮説①】。(循環論法)

この場合も、前提から初めて前提を証明しているので循環論法になる。

全ては単離できないことに起因する

以上より、どんな手段で以てしても病原ウイルスの存在を証明しようとすると循環論法になる。理由は明らかで、単離できないからである。つまり、存在が確認できない場合は、存在を証明できない。できるのは、存在の可能性の高低である。こんな当たり前のことをウイルス学者は理解できていない。

ちなみに、上記の循環論法の指摘を感染研に令和5年6月23日付で問い合わせたが、未だに回答をいただいていない。つまり、彼らはこの指摘に対して反証できないのである。

まとめ

単離できない病原ウイルスの存在証明を行うのは間違いであることを証明した。分離、ゲノム決定、画像に限らず、いかなる手段であっても存在を証明することはできない。できるのは蓋然性の議論である。

以上より、次のように結論付けることができる。

単離できない病原ウイルスの存在証明は「単離」以外にない。


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2 病原ウイルスの不存在