厚生労働省資料

議事録

令和6年10月27日公開

令和6年10月28日修正

 

厚生科学審議会

予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第2回)⑦

健康局結核感染症課



議題2

子宮頸がん予防ワクチンについて②

○桃井座長

ありがとうございます。全体の評価は慢性疼痛のところでもまた頂戴したいと思います。

私も臨床医としてカルテを拝見いたしました。時間的経過から直接関係があるであろうと思われる中毒疹が1例、それから、関連性を示唆する局所疼痛が1例、非常に多彩な症状を直後から発症する慢性疼痛、それらは時間的に接種直後から発症しているということが特徴であると思われます。神経内科の池田先生や神田先生にも御意見を頂戴いたしましたが、疼痛機転直後に発症する神経疾患での慢性疼痛、神経障害性疼痛やCRPSというものがあるのかということも議論の対象になると思いますが、一般に言われる神経障害性疼痛とはかなり異なる病像を呈していることも確かです。特に頭痛等の疼痛以外の症状を合併しておりますので、それらは神経傷害性疼痛等の神経因性疼痛の範疇には当てはまらないという非常に特異な疼痛病像及び多彩な病像を示している例があるというのが特徴であろうと思われました。

あとはJIAと診断されたものが1例でした。、さらにほかの慢性疼痛症例とも併せて、また議論を頂戴したいと思います。

それでは、その次、2-8、CRPSと報告された症例5例の資料、それから、一般的にCRPSという診断基準に合致しない広範な疼痛の症例38例です。それから、先ほども御説明ありました、これは海外で既にイギリスなどでは9年間ワクチンが先行しておりますので、海外のデータを早急に企業から提出していただく必要があるということで提出していただいた資料でございます。

それから、その他の予防接種後の疼痛症例が資料としてございます。本ワクチンの直後及び比較的短時間後に発症する疼痛症例について、一部は急性に回復している、一部は慢性に経過をしているという特徴がございますが、それと関連する資料が2-8でございます。CRPSについては前回大変細かく御議論いただきましたので、先ほど私が申し上げたことと重複すると思います。特に主として疼痛が広範囲にわたる症例の38例及び海外のデータとの比較等について、御質問でも結構ですが、御意見を頂戴したいと思います。

どうぞ。

○倉根委員

池田先生、神田先生にちょっと伺いたいのですが、ガーダシルのところで英語ので見ますとcomplex regional pain syndromeと書いてあるのとchronicと書いてあるのとあるのですが、これは全く同じものということでよろしいですか。

○神田参考人

そういうふうに解釈してよろしいかと思いますが、complexが正しいかと。

○倉根委員

それから、診断のいわゆる基準というのは、海外であれ、日本であれ、同じなのでしょうか。国際的に共通であるというふうに考えてよろしいのですか。

○神田参考人

海外の基準と日本の基準は必ずしも一緒ではないと私は記憶しております。日本の基準は班がありまして、そこで決定したものでありまして日本独自の基準ですが、そんなに海外のものとずれはないだろうと思いますが、全く一緒ではないというふうに理解しています。

先生、それでよろしいですかね。

○池田参考人

これは、診断基準というのは、外国と日本人と必ずしも一致しない部分があるのです。体格の大きさとかいろいろな問題があって、そして、先ほど桃井先生もおっしゃられたように、思春期の発達の程度というのも海外と日本人は違うのです。したがって、その点に合わせた診断基準作りというのが今日本でも急がれております。CRPSに関しては日本の診断基準なのですが、それ以外の神経因性疼痛の診断基準というのはなかったので、実は、今日、桃井先生にお渡ししようと思って、私、メールで桃井先生に送れていないので今日持ってきたのですが、私どもが厚生労働省の研究班で神経痛性筋萎縮症の臨床診断ガイドラインというのを作っております。これは、現在、学会の認可を得ないとこういう基準というのはオープンにできないので、その検討を進めている最中なのですが、その案を桃井先生に今日お渡ししますが、日本人に合ったガイドラインというのがほぼできかかっていると見ていただいていいと思います。ただし、ガイドラインとか特にCRPSに関してはきっちり線を引けないのです。幾つかの病態がオーバーラップしている領域というのは必ずあるので、その辺をどういうふうに分けていくかというのは、その個々の患者さんを専門医が見ていかないとなかなか分からないというところがある点、御理解いただきたいと思います。胃カメラを見て、胃がんでこうだとか、そういうふうにいかないのがこの領域だということを、ぜひ先生方や一般の皆さんにも御理解をいただきたいと思います。

○桃井座長

なかなか学問的にも難しい状況にありますが、確かに海外のレポートを見ますと、接種直後に疼痛が発症した例もCRPSとしているものもあります。そういう意味では、余り分けずにまとめて検討したほうがいいのだろうと思います。

ほかにいかがでしょうか。本ワクチンの承認審査の段階で協議されなかった副反応として、慢性に経過する、そして、この資料2-8のページ6にございますように、一部は未回復であるという状況がございますので、これらをどのように評価するかということは今回の議論で極めて重要であろうと思われます。

いかがでしょうか。これらの存在、そして、安全性に関してこれらをどう考えたらよろしいか。そして、この2剤の差の有無をどう考えたらよろしいかということもぜひ御意見を頂戴したいと思います。

ちなみに、この38例のうち、JIA等の自己免疫病態が示唆されるものを除いた数で、サーバリックスは疼痛が29例、ガーダシルは4例であります。未回復例はたまたまかもしれませんが、全例サーバリックスです。サーバリックスの把握している慢性疼痛の頻度は24万分の1、ガーダシルは42万分の1ですから、単純計算だと約1.8倍サーバリックスのほうが高いとなります。なおかつ、未回復は、たまたまかもしれませんがサーバリックスであるというデータがここにあるように思います。間違いがありましたら御指摘いただきたいと思いますが、これをどのように安全性の中で考えていったらいいかということをぜひ御意見を頂戴したいと思います。

どうぞ。

○薗部委員

確認をさせていただきたいのですけれども、CRPSというのは、あくまでもこういうワクチン接種後にも起こるのですが、それ以外のことでも起こるわけですね。それは採血でも起こるということであって、それも、ワクチンの種類も何種類も、ほかのワクチンの種類でも起こるということで、ワクチンの中身、内容物のせいではないというふうに考えてよろしいのでしょうか。いわゆるCRPSだとすれば接種行為によって起こるものであるということの確認をしたいのですけれども。

○池田参考人

CRPSというのは症候群であって、ディジーズではないので、その辺の定義は非常に難しいし、そういうことが起こることはそのとおりだと思いますが、では、内容物が原因でCRPSが起こるのか、又は、神経痛性の疼痛が起こるのかとか、接種行為なのかとか、そういうことに関しての因果関係というのはなかなかクリアにできていないと思います。だけど、いろいろなワクチンを打った状況でもそういうことが起こっている事実があるというだけで、その辺の因果関係に関しては、先生、分からないというのが正直なところだと思います。

○神田参考人

CRPS自体は外傷を契機にすることが多いので、もちろん注射という行為だけでも起こってくるわけですけれども、今回はCRPSという言葉に余りとらわれないで痛み全体をとらえるという姿勢のほうが、このワクチンの副作用に関しては真っ当な態度ではないかと私は思うわけであります。ですから、CRPSという言葉は余り使わないほうがいいのではないかと考えます。

○薗部委員

ありがとうございます。

○桃井座長

おっしゃるとおりだと思います。通常考えるCRPSとは異なる病像を呈しておりますし、発症は接種直後が多いということと、プラスアルファの多彩な合併症状を呈しているということからも、全体として慢性疼痛というと全部入りますけれども、関節痛を主体としたもの以外の慢性疼痛という考えでいけばよろしいかと思いますが、それでは、これをどのように考えたらよろしいか、です。未回復例8例があります。全体で38例、そのうち5例は自己免疫疾患をバックグラウンドとするもので、それ以外は、よく分からないけれども比較的似たようなパターンの疼痛例があるということについてどう考えるかという御意見を、これは一番大事なところでございますので、全員に御意見を頂戴したいと思います。

○岡部委員

先ほど神田先生がおっしゃったように、私も余りCRPSだからこのせいであって、CRPSでないのであればこの副反応の議論から外すというのは本末転倒だというふうに思います。むしろCRPSも含んでこういったような慢性の疼痛が起きて、しかも、今、桃井先生も何遍もおっしゃっているように、時間軸だけが全てではないですけれども、やはり時間軸というのはある一定の考えるヒントとしては重要なので、そうであれば、ある行為があって、それは液が入ろうが、注射をしようがですけれども、起きたということは調査をする必要は絶対にあるというふうに思います。

それで、この三十数例の疼痛が広範囲にわたる中、しかし、全てが関連があるようにも見えないので、例えば、既に数値としては除外されていますけれども、接種をした当日に発症して免疫性疾患であるといったようなのは因果関係としては考えにくくなると思います。それで、私もこの分厚い症例を拝見したのですけれども、救済に関する議論をやっていて、因果関係がほかに見つからないのでその可能性はあると、いわゆる3Bというのがよくあるのですけれども、この中にはそういったような症例が多いというのも事実ですけれども、除外できるというのもこの中にも含まれているというのはあります。ただ、一例一例ここで評価するわけではないので、全体を見る必要があると思います。

そこで、あとは頻度の問題で、24万から40万接種に1例ぐらいだったでしょうか。この慢性疼痛が起きるということにすると、ADEMのときも随分問題になったと思うのですけれども、かなりの頻度で集積して起きるということであれば、一旦中止して様子を見るということも方法ではあるわけですけれども、10万以上の接種で生ずる単位であるということと、それから、一方では、やはり子宮頸がんの問題ということでスタートしているので、前回と同じなのですけれども、調査は十分に必要だというふうに思いますけれども、何らかの方法を取りながら、このワクチンそのものを中止するまでの必要はないのではないかというのが私の意見です。ただ、やり方には幾つかの方法があると思うので、従来どおりでいいかどうかは、また別に議論をしたほうがいいと思います。

○桃井座長

ワクチン接種をどうするのか、は最後に議論をさせていただきます。

お一人お一人、この疼痛の特異なパターンを取る、極めて早期に発症するタイプの、そして一部は慢性に経過し、まだ未回復の例もあるという状況をどう考えるかということについて御意見を頂戴したいと思います。

全員に御意見を頂戴します。

○五十嵐委員

私もCRPSにこだわらないで、それから、前後関係がある症例を全部含んで一つの概念でとらえるべきではないかと思います。

○大野委員

私は、個々の問題については分からないのですけれども、このワクチンの成分とか添加物とか、そういうものによる作用ということと、注射行為そのもの全部含めて、このワクチンの影響と考えればよろしいのではないかと思っています。

○柿崎委員

同じように、CRPSに限らず、慢性疼痛という概念で、回復したものはいいのだと思うのですけれども、未回復とか後遺障害が残った方の頻度をどういうふうにとらえるか問題だと思います。

○望月委員

私も薬学領域ですので、この症候群というか、この疾患概念というか、そこはちょっと分からないのですが、海外とか他のワクチンとかと副作用の発生頻度を比較をするような場合については、ある副作用が非常に注目されますと関係者がかなり熱心に報告をするということもありまして、他のワクチンとの比較におきましても、他のワクチンよりも、もしかしたらこのワクチンのほうがその注目度が高くて、そういうものが報告されて易くなっている可能性もあるのではとういうふうに思いまして、先ほど薗部委員が、ワクチン接種の行為そのものでもこういったものが起こる可能性があるのではないかというお話をされていたのをお聞きしまして、今回のデータだけでこれをどういうふうに扱っていくかということを判断することは、私自身にはできないなというのが今日の意見になります。

○桃井座長

参考人からは最後にご意見をいただきます。

○道長委員

はり疼痛に関しては、CRPSに余りこだわらず、未回復の方々が8名いらっしゃいます。慢性化しなかった接種後以外の疼痛で回復されている方もいらっしゃる。それを合わせて比較調査することが一番大事なのかなと思いました。

○薗部委員

このワクチンに関しては、望月先生も申されたように、バイアスがかかりやすいと思います。それは接種年齢の問題と、あとは痛いといううわさが、もう全員が知っているというぐらいに、ですから失神もたくさん、場合によっては接種する前に失神する人もいるぐらいなわけですね。ですから、そういうことも考慮しなければいけないことと、あと、最後にもう一つは、未回復という例があるということですけれども、ある意味で、これは、慢性疼痛は専門ではないですけれども、いろいろなことから言うと、治りにくいというか、時間がかかるから慢性疼痛であって、これが今の期間で治らない方がおられるというのは、ある意味で不幸なことですけれども、それはいたし方ない、これは慢性疼痛に関連することに関しては全て言えるのではないかというふうに考えております。

○倉根委員

恐らく他のワクチンにおいても疼痛というのは、副反応というか、項目としては常に挙がっているのですが、ここまで慢性疼痛というのが前面に出てくるというのが余りなかったと思うのです。もし他のワクチンでも同様のことが起これば、そういう期間の中でかなりきつい痛みがあるというのであれば、当然どこかで挙がってきていたかなというふうには感じております。

もちろん、他のワクチンでも局所の比較的短期間の疼痛というのは、ワクチンによって恐らく少し違うと思いますが、ある程度頻度の高いものもあり、低いものもあるけれども、こういう長期にわたる疼痛が出ているというのは、そこは少し気を付けて、そこを考慮しながら考えていくべきだと思っております。

○桃井座長

岡田先生。

○岡田委員

皆さんの意見と同じなのですけれども、痛みというのは感覚的なものがかなりあります。そういう意味では、所見としてきちんと検査で分かるようなものとそうでないものというのも分けていったほうがいいのかなとも思いました。私もCRPSにこだわる必要はないと思いました。

特にHPVに関してはリコールバイアスもかかると思います。2-8の資料の最後のページに2003年から2013年3月31日までPMDAに報告のあった、インフルエンザ、MRDT、日本脳炎の各ワクチン接種後で、疼痛関連でまとめていただいていますが、この中身も今回のように接種直後から痛みが起こっているのか、比較的慢性的に経過していたかというものも少し詳しく調べていただければ、今後の参考になるかなと思いました。

○稲松委員

従来、インフルエンザワクチンというか、成人のワクチンを中心に見てきましたけれども、インフルエンザで副反応を見ていて、何か中年の女性というか、その辺のところに一つの変なピークがあって、余り説明のつかないピークなのです。このワクチンもある意味で、若い女性というかなり特殊な集団を背景にしたワクチンでございまして、そういう意味では、小児科領域とはちょっと話が違うのだろうと思うのです。何となく見ている感じが一つの論理で説明できる現象ではなくて、何となくいろいろなわっと気分でそうなってしまうようなもの。ワクチンの成分そのものよりも、むしろ注射行為に伴う一連の何か現象のような気がします。そのような同じことは成人の、インフルエンザワクチンの副反応に男女差がそんなにあるのは全く説明のつかない話でございまして、それもちょうど中年のところなのです。

従来、いろいろな抗生剤の副反応の検討もしてきましたけれども、どうもあの辺の女性はなんて言うと、また問題になるかもしれませんけれども、何かちょっと違った反応をするところがございまして、そんなことも考慮に入れて、この副現象と申しますか、検討したらいいかと思います。

○桃井座長

ありがとうございます。いろいろな御意見をいただきました。20歳前後の女性を対象とするところから、疼痛という主訴とする副反応についてバイアスがかかるという御意見もありましたが、バイアスも何も、そういう年齢の対象の方々にとって安全性はどうかという議論でございますので、その年齢層に出やすいということをバイヤスとはいわないと理解するべきであろうと思います。

疼痛というのが非常に難しい病態であることも、今まで池田先生、神田先生にお伺いしました。最後に疼痛に関して、池田先生、神田先生、もし追加の御意見があったらお伺いしたいと思います。

○池田参考人

成因を解明するということと同時に、実際に早く治療をしてあげなければいけないのではないかと思うのです。私どもの研究班では、既にこういう慢性疼痛に対して積極的な治療法というのを試みておりますので、ぜひ病態解明ということも必要ですけれども、今できる治療をしてあげるということが大事かなというふうに考えております。

○神田参考人

池田先生の御意見は全く同感でございます。

ただ、あとは、客観的な痛みが出ている原因というのは分かるかどうか分かりませんが、やはり分かるところまで詰める必要があるだろうと思うわけで、末梢神経が本当にやられているのか、中枢神経は本当にやられていないのかというところまでしっかり詰めた上での議論が必要だろうと思います。

○桃井座長

ありがとうございました。確かに皆様の御意見のとおりで、多くが特異な病像をとっていることも確かですし、繰り返しますが、直後に発症しているということも確かであります。私も類似の、接種とは関係ない患者さんでありますが、疼痛の小児例の経験がございますが、患者さんの疼痛症候群というのは非常に苦痛が大きい、それは神田先生、池田先生とも御賛同されると思いますが、患者さんにとっても極めて苦痛が大きく、心身に極めて大きな障害を与えるということも事実であります。ほかの副反応をまだ議論しておりませんので、ほかの副反応について御議論いただいたところで、では、この問題についてどのように対応するのが適切かと議論をまとめたいと思います。

皆さんの共通の御意見は、これはこのまま問題なしと看過できないということで、調査なり研究なりする必要があると。そして、診断と治療に結び付けてあげる必要があるということで大方の御意見は一致すると思います。そういう御意見であったように思います。その辺はよろしいでしょうか。御異論はないでしょうか。

それでは、ここで御意見をいただいたところで、まだほかの副反応が、アナフィラキシーとか失神について御意見を頂戴していなかったのでそれに戻りますが、それについて何か御意見が。

 

失礼しました。2-7に関して抜かしておりました。慢性疼痛を議論いたしましたが、自己免疫疾患として診断された症例は4例ございます。これは、さまざまな時間経過で発症しておりまして、JIAと感染性関節炎等々多様な、JIAが2件、SLEが1件、感染性関節炎が1件という4件の発症がございますが、これについて安全性に関して何か御意見を頂戴できればと思います。

どうでしょうか。頻度的には、それぞれの疾患は多くはないですが、自己免疫ですから、GBS等々と同じくフォローする必要があるものの、今は議論の対象にはなりにくいということでよろしいのでしょうか。

どうぞ。

○薗部委員

やはり、これは有害事象報告ですから、考えるのは、あくまでも自然発生頻度がどれくらいあるのかということがもし分かっているものであれば、それと比較して頻度が非常に高いということであればそこで問題になるものであって、そこら辺に関しては、それこそ専門家の方がほかにもたくさんおられますから、そういう専門家の方の御意見も伺いたいと思っております。

○桃井座長

これについては、先ほど申し上げたように、まだそれぞれ少数例でございますので、何かの集積が万一あった場合には、頻度や病態の検討を行うということでよろしいでしょうか。

それでは、アナフィラキシーについて何か御意見がおありになりますでしょうか。アナフィラキシー及び失神についてです。失神の非常に多いワクチンであるということは知られているところでございますが、これについて海外のデータも提出されております。これについて何か御意見を頂戴できるでしょうか。

ここの、私の計算が間違いでなければ、アナフィラキシーは、サーバリックスが58.4万件分の1人、ガーダシルは156万接種当たり1人というふうに、サーバリックスが2.7倍、失神は、サーバリックスが10万接種当たり11.25、ガーダシルが17.6という大きな、2倍には達していない差であるということです。

○岡部委員

済みません、数字をもう一回教えてもらえませんか。

○桃井座長

これは私の計算で、この資料から計算しただけで、後で確認をする必要があると思いますが、アナフィラキシーは、サーバリックスが58.4万分の1、ガーダシルが156万分の1です。2.7対1です。失神は、サーバリックスが、うち意識消失というのは何だかよくわからなかったので、うち意識消失というところを避けて見たところ、10万接種当たり、サーバリックスが11.25、これはアナフィラキシーとショック、失神等重複があります。それから、ガーダシルが17.6という数字です。海外の資料は統計的にきちんとしていない国の報告も含まれていますので、何とも頻度は出せないということと理解をしました。

これについていかがでしょうか。失神が多いことは既に指摘されているとおりですけれども。

なお、アナフィラキシーは、インフルエンザの発生頻度と比べてみますと、インフルエンザが20.8万回分の1ですから、この本ワクチンが決してそれらと比べて多いわけではないということになります。

何か御意見、おありになりますでしょうか。

○岡部委員

アナフィラキシーは、残念ながら異物反応としての結果が出てくるので一定頻度はあり得ると思うのですけれども、先生が今お示ししていただいた数字であるならば、あり得る範囲内のものである。ただし、もし起きたときの注意喚起は、予後に左右するので必要だと思いますけれども、特段にこのワクチンに限って重大な反応が起きているというふうには結論付けられないのではないかというふうに思います。

それから、失神のほうが、前に何かデータを見せていただいたような気がするのですが、失神そのものの頻度はそんなに変わらなくても、その重症度といいますか、予後が良くなってきているのではないかというふうにも思います。それは予後というか、要するに接種後の観察をちゃんとやっているだけで、あらかじめ失神が起きたときの二次的な障害を防ぐというようなことは重要なことなので、その点も改善の余地のある部分と、失神をなくすわけではないのですけれども、そういう重要なことではないかというふうに思います。

○桃井座長

ほかに御意見いただけますでしょうか。

どうぞ。

○岡田委員

失神に関しては、2回接種後の注意喚起がなされています。前回出していただきました資料でも確認できましたが、評価していただきましたけれども、二次障害をなくすためにもう一度注意喚起を出していただいて以降、いわゆる前方に倒れて歯を折ったとか頭を打ったとかという二次障害は随分減ってきていると思います。失神に関しては、なお注意深く観察する必要があると思いますけれども、現時点では大きな問題となっていないと思います。アナフィラキシーに関しては、不活化ワクチンですと100万に1前後ぐらいの頻度で他のワクチンで起こってきます。このHPVに関して特段多いということはないのだろうというふうに思います。

○桃井座長

ほかに御意見おありになりますでしょうか。そういう理解でよろしいでしょうか。

どうぞ。

○倉根委員

恐らく、他と比べて率としてはそれほど多くはないにせよ、先ほど他のワクチンでも申しましたが、1度目なのか2度目なのか、それは全く変わらないのか、そこに少ないながらも差が出てくるかというようなデータは、なかなか集めるのが難しい部分もあるのでしょうが、しかし、そこのデータがあれば、もう少しアナフィラキシー等に関する理解もしやすいと思いますので、何かそこについては情報の集め方などで少し努力をしていただく。集められるものは集めていただくというような形が必要なのではないかというふうに思っております。

○桃井座長

ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。10万接種当たり二桁というのは少なからぬ数ですので、生死に直接影響していないとはいえ、大きなけがをするリスクもございますので、どういうふうな注意及び、倉根先生がおっしゃったように、どういう傾向があるのか、あるいは、これはなかなか難しいですけれども、どういうお子さんに生じやすいのかも含めて解析する必要があるであろうと思います。あるいは、痛みと関係するのかどうか、これは研究の段階になりますが、それも検討の余地があるであろうと思います。

どうぞ。

○柿崎委員

ちょっと戻ってしまうのですけれども、自己免疫異常が出た患者さんというのは、先ほどの1回目、2回目、3回目というのは差があるのですか。

○事務局

資料2-8で表現されているままのみ存じておりますけれども、4名の方が自己免疫疾患として診断された症例というグループに入っておりますけれども、接種日がそれぞれ分かれておりますので、お一人の方は、ここを見る限りでは2回接種された、3名の方は3回接種されたと、このように見受けられます。

○桃井座長

ほかに何かよろしいでしょうか。

それでは、全体としての御意見を頂戴したいと思います。

それから、2-9のロットに関しては、大変早急にデータを出していただきましたが、これについてはロット間の問題は、集積性は特にないという御意見もありましたが、それでよろしゅうございますか。品質管理にとって重要なことでございますので、そう評価してよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○桃井座長

では、そのように評価をいたします。

○岡部委員

その他で、資料2-10の「接種を受ける皆様へ」という注意のところの裏側なのですが、前にもちょっとお尋ねしたような気がするのですが、「ワクチン接種後の注意」のところで、もし副反応があったら、救済の対象になるというのは定期接種だと思うのですけれども、ここでは「法律に基づく補償」という言葉になっているのですが、実際にお金を出すのは国家賠償法で出すというような話も聞いているのですけれども、被害認定をやる場合には、この場合は健康被害に対する救済であるという微妙な言葉の違いがあるのですが、これはどちらか、この言葉のままでいいのか、あるいは、今後の受取方によっても随分違ってくると思うのですけれども、いかがでしょうか。

○事務局

確認をしまして、対応いたします。

○桃井座長

よろしいでしょうか。

それでは、まず全体です、重篤な例、それから、アナフィラキシー、失神、そして自己免疫を想定する例、疼痛例、ロットについて解析をいただきました。問題としてありますのは、慢性疼痛で今まで余り承認のときにも挙がってこなかったであろう慢性の副反応、そして、多くが直後発症であるので、関連性は恐らくあると推定される、何に関連するかは現在不明でございますが、関連性があるとする慢性疼痛で、一部治癒していない例があるという慢性疼痛の存在を、このワクチンの安全性といいますか、ワクチンの実施に関してどう考えるかというところでございます。

先ほどは、この慢性疼痛に関しては、研究も、そして患者さんの治療への提供等々も、そして、何が起こしているのか解析する必要があるという御意見を頂戴いたしまして、それはそのとおりであり、今後解析する必要があると思いますが、それでは現時点でこれをどう考えたらよろしいかという問題であろうかと思いますが、これについて御意見を頂戴したいと思います。

一般的に皆様、これはもう釈迦に説法になりますが、御承知のように、全てのワクチンが副反応がゼロというわけにはいかないのは全員承知のことでありますが、副反応はなるべく少なくというのが安全なワクチン行政には不可欠でありまして、そういう観点から副反応のみではなくて、そのワクチンのメリットと、それから、副反応の大きさを勘案してワクチンの接種について考える必要があると思います。

ワクチンのメリットというのは、ワクチンから生ずる利益でありますので有効性ということになります。今回のワクチンの議論の困難さは、他の感染防御のワクチンと違って、ワクチンによる子宮頸がんの予防ということに関して、外国でも第3相試験で最長4年間のいわゆる前がん状態といいますか、組織病変の、ガーダシルは94%の阻止、そしてサーバリックスは100%の阻止というデータが出ているにとどまるということになります。しかしながら、論理上も、そこに書いてありますように、子宮頸がんのそれぞれ対応するタイプによるがんの発症は60%前後防ぐことが期待されているワクチンであり、そのために全世界的に接種をしていることは皆さん御承知のとおりでありますが、そういう効果のさまざまな意味での性状がほかのワクチンと大きく異なるということであります。また、期待される効果が実現した場合には、60%前後の発がん阻止でありますから、これは個人にとっても国にとっても大きいことは間違いないわけでありますが、ほかのワクチンとはかなり異なる性格のワクチンである。その中で、今回、少数例であるとはいえ、38例の疼痛、そして5例の自己免疫疾患の背景を除くと33例の慢性疼痛例が出て、8例が未回復であるという状況をどう考えるか。しつこくて恐縮ですが、大事なところなので繰り返させていただきますが、これらを総合してどう考えるかであります。

御意見を頂戴したいと思いますが、これについては副反応部会からだけと限定しなくても、食品等安全対策部会安全対策調査会委員のほうからも御意見を頂戴してよろしいですね。全員から御意見を頂戴して、議決が必要になれば副反応部会の方に議決に御参加いただきます。

いかがでしょうか。

今まで顕在化されなかった新たな慢性疼痛という問題が出てきて存在していることは確かでありまして、その問題のサイズは、先ほど申し上げたとおりであります。そして、病態、診断までもよく分からないという状態でありまして、診断がよく分からないのに治療も大変、カルテを拝見しますと、ドクターショッピングのような状態になっていることも事実であります。こういう状態に対してどう考えるかという最後の御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。

では、こちらから御意見を頂戴したいと思います。

○稲松委員

先ほど幾つか御発言ございましたけれども、実際、患者さんがそれで苦しんでいることは間違いないだろうと思います。そういう意味で、予防的に何かするとすれば、例えば迷走神経反射にしても事前に知っていればとか、ウオッチングでかなり実害を防げるものがあるわけで、そういうところの広報をきちんとしていく。それをしながら、もう少し情報を集めて、その上で最終的結論ということでいいのかと思います。

今の集められたデータだけから、すぐ接種を中止するという論議にはならないように思います。

○岡田委員

ヒブと肺炎球菌の同時接種のとき、中止基準をみんなで考えて、国内で独自でつくりました。もし今回、中止をするのであれば、中止の解除今後基準をつくったほうがいいのかなと思いました。

○岡部委員

先ほどもちょっと言いかけたのですけれども、確かに少数ながら、もしかするとそうかもしれない、実際は症状としては非常に苦しんでおられる方がいる、ですから究明は必要だろうというふうに思うのですけれども、一方で、私は産婦人科医ではないので、実情としては自分の感覚としてはないのですけれども、やはり子宮頸がんに若くからなって、命の問題もあるでしょうし、子宮摘出といったような方もあるという人数も比較した場合に、やはり接種ができるという状況はとっておくべきではないかというふうに思います。

ただ、予防接種部会のときにも、私の意見としては前にも言ったことがあるのですけれども、ただ、これはハードイミュニテイを高めて全員に接種を、強制ではないとはいえ、強く勧奨するという対象にしていいのか、もうちょっと個人の意見で、自分は不安が強いということであれば、もちろん検診をしっかりやってもらうということはあるのですけれども、そういう意味での勧奨の度合いを緩めるというようなことは一つの方法として考えられるのではないかと思います。具体的に言うと、方法論はいろいろあるかもしれないのですけれども、B類扱いにするといった形も一つの方法ではないかと思います。

○倉根委員

私は、まず、これまで余り意識されなかったというか挙がってこなかった、ひょっとしたらかなりユニークなといいますか、余りこれまで注目されなかった副反応がある可能性があるということを考慮に入れながら、しかし、それの率というのは、まだ30万なり40万に1ぐらいの率であろうという形でしょうか。それを考えますと、他のワクチンとの比較も考えながら私なりに考えますと、そういうことが起こり得るということをワクチンを受ける方には知らしめながら、あるいはドクターにも知らしめながら、しかし、今の段階でこれをとめてベネフィットの部分をなくしてしまうというのは尚早ではないかというふうに考えます。ですから、継続をしつつも、しかし一方、先ほど申しましたように、ここの部分の解明、それから、先生方おっしゃったように治療ということ、もしそういうことが起こった場合には、そこも十分重点を当てていくということの対策をとりながら、やはり継続というのがよろしいのではないかと私は思います。

○薗部委員

やはりこういうのを考えるときに、世界標準のことを考える必要がまずあると思います。世界で定期の予防接種をやめたり、任意にしろ、それをやめるというのは、未知の重大な副作用が多発しているというときにはやめるのが当然だろうと思います。ですが、これは少なくともCRPS類似といいますか、こういう疼痛に関しては世界中で起こっているということが今日のデータでも示されております。どこでもそういうのがあったからといってやめているわけではないですね。それから、程度を下げたりすれば、例えば、逆に今度は補償が下がったりすることもあります。いずれにしろ、何かやめるということをした場合は、それをどうやって、何らかの制限を付けるという意味ですけれども、それがどうクリアしたからこれを元に戻すのかとかいうことが明確でなければ、やはり、これは今までどおり何も変えずに、あくまでも努力義務ですから、それを生かしてこのまま変更しないのが一番いいと思っております。

○道長委員

医師会としては、やはりワクチンで防げる病気は予防接種で積極的に防ぎましょうという気持ちです。ただ、今、桃井先生がおっしゃったように、このHPVに関しては、効果というのは、恐らく今打っている子供たちが10年、15年たって子宮頸がんの罹患率がどれだけ減るかということを見ないと結果が得られないというところが問題だと思っています。

それで、先ほどから慢性疼痛の話がありますけれども、現に慢性疼痛で苦しんでいる方がいらっしゃるわけなので、まず、国としては治療をやるということが一番大事なのかと思っています。それで、もし併せて原因究明ができれば、もしかしたらワクチンのどこか変えることができれば、その方向に持っていけるのかなと思います。

○桃井座長

五十嵐先生。

○五十嵐委員

私は、国民に対して副反応の実情をもうちょっと正しくアナウンスするアプローチというかリアクションをすぐにとる必要があるのではないかというのが1つです。

もう一つは、サーバリックスとガーダシルの副反応にもしかすると差があるのかもしれないですね。これについては、桃井先生は先ほど強調されていましたけれども、余りデータとして明らかにするようなことがなかったので、早急に本当に統計学的な差があるのかどうかというのをぜひ明らかにしていただきたいと思います。

それで、リアクションとしては、制限するかどうかということに関しては、今の時点ですぐに制限する必要はないのではないかと思いますけれども、やはり国民がこのワクチンの有効性と、有効性の限界も含めて、それから副反応についてちゃんとわかっていただけるような対応をこれからとるということが一番大事ではないかと私は思います。

○大野委員

今まで先生方が言われたこと、私は全て賛成します。それで、つけ加えるとしますれば、今日説明がありましたけれども、年間9,000人近くの人が子宮頸がんにかかって、2,700人の方が亡くなっている。先ほど桃井先生が、このワクチン接種において60%ぐらい発生率が削減できるというようなお話がありました。今日いただいた資料では、サーバリックスとガーダシルの両方の重篤な副作用の報告例ですね、この1月から3月までの3か月間の報告例で、両方合計すると重篤なのは5例だと。単純計算すると1年間に20例ぐらいになると。20例の人には申し訳ないですけれども、2,700人の60%というと、かなりの人ががんになって亡くなる確率が減少するということですので、先ほど道長先生も言われましたけれども、もうしばらく、本当に日本の子宮頸がんで抑制率がどのくらいなのかということを確認する必要があるのではないかと思っています。そういうことで、まだ当分、新たなことが出てこなければ、このまま継続してよろしいのではないかというふうに思いました。

○柿崎委員

ほかの委員の先生方と大体同じなのですけれども、副反応がある一定頻度で出るという事実を真摯に受けとめる一方、疾病予防という観点から継続することが望ましいのであれば継続ということ。

それから、副反応があるということを国民に広く啓発して、そういった上でワクチンを選ぶのか、検診を選ぶのか、ある程度柔軟性を持たせて選択させるということ。

それから、ガーダシルとサーバリックスで差があるのであったら、その辺は究明していったほうがいいと思います。また、健康被害に遭われている方に対して適切な治療や救済をやっていくべきだと思います。

○望月委員

私も今、大方の先生方がおっしゃったように、本薬による子宮頸がんの予防ができる可能性がかなりあるというベネフィットは、何年かたたないと確認はできないところではありますけれども、現時点でそれなりにあるというふうに思いますので、副反応のことをきちんと患者さんに情報提供するという上で、打つ、打たないを御本人が選択される、そういう形で残しておくということで、今日の時点ではよろしいのではないかと。

実は、先ほどから2-8の資料の症例の中をよく見ておりますと、やはり初回から慢性疼痛化するものが出ているというよりも、2回目ないし3回目を打ったときからそういうほうに移行しているという症例がかなりたくさんあるように思いまして、初回の時点で何か兆候があったのかもしれません。よく副作用の判定をするときにリチャレンジをしたときにどういう反応が起こっていくかということで考えていくと、これで見ていますと、ある意味では関連性があるのかもしれないという感じもいたしまして、もう少し市場に置いた上で副反応の症例を集めてきちんと解析をして、出たときにどう対処するか、あるいは、出る予兆があったときにどう対処するかという情報もきちんと打たれる方に、あるいは医療者側に提供できるような形で販売していっていただけるとありがたいなというふうに思います。

○桃井座長

ありがとうございました。一番大事なところは、接種する国民に起き得る副反応の情報を的確に伝えるというところだと思います。一番悩ましいのは、この疼痛に関しては医者ですらも迷っている状態ですので、的確に伝えることは今の段階ではできないと私は思います。どうやって的確に伝えるのですかというのを、皆さんも大変疑問に思われる点なのだろうと思います。そこが一番の問題かなと思います。的確に情報が伝えられて、御注意されれば減るという、失神であれば、それでよろしいと思いますけれども、慢性疼痛症例については的確に情報が伝えられる段階に今ないというこの時点において、このまま集積させてよろしいのでしょうかということの御意見もぜひ伺いたいと思います。

一番重要なのはその点だろうと思います。医者も判断に迷って、次々に受診する医者が違う診断を下すというような状態がございます。精神疾患だったり、神経疾患だったり、さまざまな診断が一人の患者さんに下されている例が少なからずあります。そういう状態で、何だか訳分からないけれども回復しないかもしれない、慢性疼痛がこれだけの頻度で起きますよという情報提供が果たして現在の接種の情報提供にふさわしいのかどうかということも考えなくてはいけないのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。

これが、ADEMがどのくらい起きますとわかっているのであれば明確でよろしいと思うのです。あるいは、ギランバレーの起きる頻度がちょっと高いですというのであれば、それもよろしいと思うのです。このような専門医に行ってくださいという適切な情報提供ができます。しかしながら、この慢性疼痛に関しては適切な情報提供が今できる段階にないというところが一番の問題であろうと思います。それで、かつ、今のような接種パターンを続けてよろしいのですかという、情報提供できれば余り苦労しないのですけれども、その御意見をぜひ頂戴したいと思います。

どうぞ。

○倉根委員

ただ、先生が今おっしゃった、例えば他の重篤と言われている副反応、例えばADEM等についても、これはある数としては出ているかとは思いますが、しかし、それを詳細に検討していくと、いわゆる数として出ていくのは、こういう言い方は余り適切でないかもしれないけれども、実際にADEMと言われたもののどれだけがADEMであったか、どれだけがADEMでなかったかというのがあるので、多くの場合には、いわゆるこういうかなり難しい副反応については、率がそれほど正確かと言われると、そういうことはないと思っています。

ですから、他の副反応の考え方と、また、先ほど言ったように、余りこれまで考えなかった副反応ではあるけれども、そこの考え方は、他の副反応に対する考え方というのも考慮に置きながら私たちは判断すべきではないかと思います。


議題2ー①
議題2ー①
議題2ー③
議題2ー③