令和08/01/19作成
邦題名:
「トリプトファンオペロン減衰子における転写終結は、リーダー転写産物の一部と相補的なオリゴマーによって、試験管内で減少する」
著者名:
Malcolm E. Winkler, Kary Mullis, Jennifer Barnett, Iwona Stroynowki, Charles Yanofsky
掲載誌:
Proc. Natl Acad. Sci. USA
巻号頁
Vol. 79, pp. 2181-2185
掲載日:
1982/04
15塩基長のDNAオリゴマー〔oligomer〕をRNA二次構造の関与を調べるために用いた。ここでは、大腸菌〔Escherichia coli〕のトリプトファン〔tryptophan〕(trp)オペロン〔operon〕の減衰因子〔attenuator〕における転写終結制御への関与について調査した。この15塩基鎖は、trp RNAの領域と完全に相補的である。このRNAは、減衰調節で何らかの役割を果たすと考えられている。野生型大腸菌〔wild-type E. coli〕またはサルモネラ・チフィムリウム〔Salmonella typhimurium〕のtrpオペロン鋳型〔templates〕を含むin vitro転写反応混合液〔in vitro transcription reaction mixture〕に、この相補的15-merを加えた。この時、リードスルー転写〔read-through transcription〕が4倍に増加した。対照的に、15-merは減衰に影響を与えなかった。但し、これは大腸菌変異体鋳型〔template〕を使用した場合である。この鋳型は、重要なRNA二次構造の形成を許さないものである。対照実験により、次のことが確立した。大腸菌trpリーダーRNAと相補性を持たないオリゴマーは減衰に影響しない。そして、15-merは終結を減少させないことである。後者は、転写産物に相補領域が存在しない場合に限る。別の実験では、以下のことが確立した。15-merが、RNAポリメラーゼ分子に転写を再開させることでリードスルー転写を増加させない。その分子は、転写を阻害する減衰因子で既に停止していた可能性がある。これらの知見は、以下の見解を直接的に支持するものである。代替塩基対構造〔alternate basepaired structures〕が、trp減衰因子における転写終結を制御するという見解である。