令和5年12月28日執筆
一般的に、目に見える物体であれば、生物・非生物に関係なく、その物体を示せば、その存在を確認したことになる。
一方、現代の科学技術で以ても如何なる機器で可視化できない物体であれば、その存在を示すことができないため、存在することを示すための実験等によって、その存在の蓋然性の高さを示すことになる。
病原ウイルス粒子は光学顕微鏡では見ることができないので、後者に当てはまるかと思われるがそうではない。何故なら、巨大ウイルスやファージ、並びにエクソソームなどの細胞外小胞は単離可能であり、単離した状態で電子顕微鏡を用いて撮影することが可能であるから、理屈では病原ウイルス粒子も電子顕微鏡で可視化することが可能であると言える。可視化できれば、その存在を示すことができる。実際、巨大ウイルスなどの粒子は単離によって存在が確認されている。
しかし、病原ウイルスは単離できない。過去に様々な努力がなされてきたが単離に成功した例がない¹。
令和3年7月1日付けで東京都健康安全研究センターに問い合わせたところ、同年同月2日付で以下のような回答を得た。質問の内容を明記して以下に引用する。引用中の太字は筆者によるものである。
質問1
貴センターが仰っている「分離」とは「単離」もしくは「純粋化」と解釈してもよろしいでしょうか。
回答
「単離」や「純粋化」といったイメージとは、少し異なります。微生物、特にウイルスはサイズが小さいため、1つひとつの粒子に分ける「単離」は技術的に難しいです。ここでいう「分離」とは、閉じられた系(例えば試験管)の中で、特定の微生物が「優先的に増えている」、「大多数になっている」状況を指します。
質問2
厚労省に電話で変異株ではないオリジナルの分離株の存在(標本のような形で存在するのか?)について質問すると、そのようなものは存在しないと言っているのですが、今回分離した変異株は単離された状態で、例えば標本のような形で存在しているのでしょうか。
回答
「標本」のような形では保持していません。理由は、一般に、標本にするためには「単離」する必要があり、その「単離」は、上述の通り難しいためです。
このことからも、病原ウイルスを単離することが現時点でも困難であり、過去にもされたことがないことは明らかである。
よく新型コロナウイルス粒子の画像がニュースやネット上で公開されているが、単離された状態での撮影ではないので、あの画像が病原ウイルスであるという証拠は何一つない。憶測の域を超えていないのである。
したがって、単離可能な巨大ウイルスなどの粒子とは異なり、病原ウイルスだけを取り出して撮影することができないため、冒頭における後者に当てはまり、その存在は実験等で病原ウイルス粒子が存在する蓋然性の高さを示すほかない。
病原ウイルスの存在の可能性を示すためにウイルス学者がよく使う方法は、「分離」と「ゲノム決定」である。これらの結果によって、ウイルス学者は病原ウイルスが存在すると主張するが、それは間違いである。繰り返しになるが、可視化できないので存在する可能性しか言えないのである。
「分離」や「ゲノム決定」については別の章で述べるので、ここでは詳細については触れない。後述するが、「分離」や「ゲノム決定」は、対照実験が行われていなかったり、再現性がなかったりするため、科学的にはあまり意味をなしていない。つまり、病原ウイルスの存在の可能性を示すには不十分である。
ちなみに、ウイルス学者は対照実験の皆無や再現性のなさについて指摘しても、対照実験を行うわけでもなく、再現性について検討するわけでもなく、何一つ科学的な反証ができない。その意味では、病原ウイルスの存在性については科学的価値が極めて低いと言える。
すなわち、病原ウイルスが存在する蓋然性は議論の価値がないほど、限りなくゼロに近い。
令和5年6月26日付で山形県衛生研究所に対して、「病原ウイルスの存在が仮説にすぎないという主張に反証できるか」と問い合わせたところ、令和5年7月3日付けで次のような回答を得た。質問の内容を明記して以下に引用する。ちなみに、引用中の太字は筆者によるものである。
質問1
ファージや巨⼤ウイルスは単離することが可能であり、その存在が確認されています。また、病原性ウイルスと誤解されることが多い細胞外⼩胞も単離する⼿法が確⽴されています。つまり、ファージや巨⼤ウイルス、及び細胞外⼩胞が実在することが確認されています。⼀⽅、病原性ウイルスは単離することが技術的に困難であることが知られています。つまり、病原性ウイルスの存在は、未だに確認されていない、即ち「仮説」に過ぎないという解釈でよろしいでしょうか。「仮説に過ぎない」に対する反証は存在しますか?
回答
当所では「病原ウイルスは存在する」ことを前提に検査・研究を行っています。「病原性ウイルスの存在は仮説に過ぎない」に対する反証について、当所では検討しておりません。
質問2
ファージや巨⼤ウイルス及び細胞外⼩胞を単離することが可能であるのに、病原性ウイルスが単離できない理由は何だとお考えですか。ステファン・ランカ博⼠は細胞外⼩胞と形状・サイズ・質量がほぼ同じであるため、分けることができないからと説明していますが、その説明以外の理由が存在しますか。
回答
その他の理由については、検討しておりません。
質問3
ウイルス学では「分離」と呼んでいる「細胞培養した結果、培養細胞の死滅の確認」ですが、この「分離」は病原性ウイルスが細胞に感染することを前提に⾏われています。しかし、質問1で述べたとおり、病原性ウイルスは未だに単離できないので存在は仮説に過ぎないのであって、その感染性も仮説にすぎません。したがって、「分離」、すなわち「培養細胞の死滅」の原因が病原性ウイルスであるという主張も仮説に過ぎません。以上のような病原性ウイルスの感染性が仮説に過ぎないという主張に対して、それを否定する反証は存在しますか。
回答
当所では、「病原ウイルスは存在する」との前提のもと、細胞培養によりウイルス分離を実施しております。
「仮説に過ぎない」に対する反証について、当所では検討しておりません。
質問4
ウイルスの存在が仮説に過ぎないので、新型コロナウイルスの存在も仮説に過ぎません。この主張を否定する反証は存在しますか。
回答
当所では、国(厚生労働省、国立感染症研究所)からの通知に基づき「新型コロナウイルスは存在する」との前提のもと、業務を実施しています。
「新型コロナウイルスの存在も仮説に過ぎない」に対する反証について、当所では検討しておりません。
以上の回答から分かるように、病原ウイルスの存在は「前提」であることが分かる。これは一研究所の見解ではない。何故なら、山形県衛生研究所は山形県を代表する病原ウイルスを扱う研究所であり、病原ウイルス学に精通している研究者が勤務しているからである。したがって、彼らが有している知見で以ても、病原ウイルスの存在は「前提である」としか言えないのである。
ちなみに、感染研等にも同様の質問をしたが、彼らはこの質問に回答しなかった。つまり、彼らは「病原ウイルの存在は仮説である」という主張に反証することができない。つまり、現時点では次のことが言える。
病原ウイルスの存在は仮説であり、前提である。
更に、質問4に対する回答では、「国からの通知に基づき『新型コロナウイルスは存在する』との前提」と書いている。これより、国からの通知では「存在が前提」としか判断できないことを明かしている。
以上より、ウイルス学では「分離」や「ゲノム決定」といった病原ウイルスの存在の可能性を示す手法がありながら、その存在は「前提」であるとしか言えないことが分かる。このことからも、次のことが言える。
病原ウイルスが存在する蓋然性は極めて低い。
言い換えれば、次のことが言える。
病原ウイルスが存在しない蓋然性が極めて高い。
さて、病原ウイルスの存在を示す根拠が希薄なだけでなく、ウイルス研究者の証言からもそれが存在する可能性の低さが明らかになった。
それだけではなく、病原ウイルスが不存在であることを裏付ける根拠はまだまだ存在する。ここでは紙幅の関係上詳細については触れないが、本研究所の「重要資料」にもいくつか資料を載せているので参考にされたい。とりわけ、現時点では以下のことが分かっている。
病原体説やウイルス学、また病気とは何かを深く学べば、病原ウイルスが存在しないこと、生物は病原ウイルスで病気にはならないことを示す根拠が更に見つかることだろう。
ここでは、病原ウイルスが存在する蓋然性について検討した。ウイルス学者がよく使う存在の可能性を示す手法や、ウイルス研究者の証言からも、その蓋然性はほとんどないことが分かった。つまり、現時点では次のように結論付けることができる。
病原性ウイルスが存在しないという主張の蓋然性は極めて高い。