WissenschafftPlus(4/2021)

(日本語)

令和6年12月21日作成

原題:「Strukturelle Analyse von Sequenzdaten in der Virologie」
英訳:「Structural analysis of sequence data in virology」
邦訳:「ウイルス学における配列データの構造解析」

著者:ハンブルグ出身の数学者(匿名希望)

掲載号:No. 4/2021


中国におけるヒト呼吸器疾患に関連する新たなコロナウイルス

武漢で 「新型 」かつ 「病気を引き起こす 」ウイルスが発見された?

批判的見解と結論

はじめに

現在のパンデミック(世界的大流行)では、ウイルス学者を中心とする医療専門家が重要な位置を占めている。彼らの判断は、私たちの社会ではほとんど疑問視されず、取られた措置を正当化するために決定的に利用されている。 このアプローチは、特に社会全体への甚大な影響を考えると、不適切であるように思われる。もし私 たち社会が、技術家政治(テクノクラート)的な思考と行動が社会生活を形成するために重要な空間を開くのであれば、必要な知識と、それに対応する方法論的スキルを横断的に持っていなければならない。特に意思決定者の層には。そうでなければ、知識よりも信仰が優先されてしまう。これは現在、劇的に顕在化しつつある問題であり、非常に有害に見える。今こそ多くの人々が自立し、発見の旅に乗り出して、自らの能力を信頼する時なのだ。

不信感を抱くのではなく、疑問を抱くのだ。疑うことなく絶対的な真実に到達することも、それを期待することもできない。知識は常に疑問視され、検証され、教義(dogmas )が暴かれなければならない。 こうした重要な性質が、科学的な取り組みを支える原動力なのである。私たちは常に新しいアイデア、議論、既知のものに対する解釈を受け入れ、感謝しなければならない。それは刺激的な万能薬のように私たちの人生を豊かにしてくれるからである。

未知のものを探求するよりも、既知のものを疑う方が大胆になれる。

 アレクサンダー・V・フンボルト

本稿では、科学論文「A new coronavirus associated with human respiratory disease in China」[1]について詳細に論じる。その論文の中で、「新型 」とされるコロナウイルスSARS-CoV-2の遺伝子配列が初めて提案されている。この論文は2020年2月3日に発表され、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された。

今回の解析は2つのパートに分かれている。第1部では、疑惑のSARS-CoV-2ウイルスゲノムを構築するための方法論的手順を説明する。 続いて第2部では、科学的見地からこの論文を批判的に検証する。 方法論的な弱点、重大な疑問点、対照的な選択肢などが指摘され、「新規」で「病気を引き起こす」ウイルスの発見を理解しやすい形で疑問視するものである。